タイミング

 

昔からずっと思ってたことなんだけど、世の中には不思議と必然だったかのように何かがリンクするときがある。

 

例えば、好きな人にメールしようかと思ってスマホを手に取った瞬間、その相手から連絡が来るとか、目を付けていた人気の賃貸物件が問い合わせた直前に空きが出たとか、なんかそういう、そうなることが決まっていたようなタイミング。

 

そういうのを偶然というのか運命というのかは人の価値観で違うんだろうけど、僕は「アルケミスト」という本がバイブルであって、そういう事は「全て書かれている」と思っている節がある(詳しくは本を読んで欲しい)。

 

 

前兆とか、予兆とかって、なかなかいつも感じることはできないんだけど、すごく素朴な日常に隠れていたりとか、もしかしたらただの正常化バイアスのようなものの一種なのかもしれないけど、どっちにしろポジティブに捉えられた方が得だということは知ってる。

 

 

 

 

スタジオの創業に関しては、そりゃ色んなリスクや不安は勿論あったんだけど、正直今までワクワクしながらここまで準備してきた。

だが、ちょうど昨日スタジオ創業における最終的な初期費用が明確になってきて、突然すべてが不安になった。

 

失敗したらどうしようとか、家族はどうなるとか、うまくいく保障なんて何もない。

全てが怖くなった。

 

全部うまくいくと信じて生きてきたが、正直今回ばかりは投じる額も額なので不安に飲み込まれるようだった。

 

 

スタジオを創業しようと決めて以来、初めて覚悟が揺らいだ瞬間だった。

 

 

 

 

 

誰かに今の気持ちや悩みを話したいと思った時、真っ先に浮かんだ相手は兄だった。

 

 

彼は電気工事の事業をやっていて、今回の創業でも色々と力を借りている。

 

兄貴なら、、、、

 

と思い、電話をかけようとしたが、やはり躊躇った。

何を話したところで、どのみち決めるのは自分。

自分で決めないといけないのだ。

 

 

 

 

そう考えて電話を置こうとした瞬間、兄から電話がかかってきた。

 

 

 

若いころはひどい喧嘩もしょっちゅうだったし、お世辞にも「素行の良い子供」だったなんてことは到底言えない。

それでも、お互いそれぞれの人生を歩む中で、紆余曲折を経て今はそれぞれで頑張っているし、今は一人の社会人としてリスペクトしている。

 

 

最初は現実的なお金や工事の話をしていたが、今の正直な不安な気持ちや迷いを話した。

きっと、心のどこかでは、いつも不安と戦っていたのかもしれない。

根拠やデータをちゃんと細かく算出して、盤石に準備をしてきたつもりでも、裏では「本当に大丈夫か?」というのをいつも自問自答していた。

 

怖かった。

 

兄は今回の創業をすごく賛成してるということや、事業の先輩として、今までの経験や想いを、逐一教えてくれた

 

 

何分話しただろう、最後に彼から唐突に言われた。

 

「何かあったら何でも言ってくれ。何とでもなるよ。大丈夫だ」

 

その一言で、僕は堰を切ったように号泣した。

あんなに嗚咽を漏らしたのは何年ぶりだったろうか。

兄が兄で良かったと、人生の中で一番思った。

 

 

背中を押された気がした。

きっと僕の気持ちは最初から決まっていたのだろうけど、兄の一言で楽になれた。

 

 

 

 

生きていると、思いがけないようなタイミングで人生を分かつような言葉や行動が起きたりする。

本人はそんなつもりもなく何気ない一言なので、忘れてしまうこともある。

 

ただ、そうやって紡がれていく言の葉が、また自分の知らない誰かの人生を切り開いたり、脈々と形や表現を変えて世界を形成していく。

 

これはすごい事だ。

 

 

 

前兆はいつも自分の近くで瞬いている。

当たり前すぎて気がつかなかったり、意識が違う場所に行っていて気がつかなかったり、そのタイミングを常に受け取るのは難しい。

 

 

だが、きっとアルケミストの言う通り、自分が変化を強く望むとき、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだ。

 

 

 

影山企画

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